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2021年8月20日 卓話:古屋 優子会員

「赤い宝石ルビー」

カラーストーンと呼ばれる色のついた宝石の中でプレシャスストーン(四大宝石)(=ダイヤモンド・ルビー・サファイヤ・エメラルド)の中からルビーについてご紹介します。  
サファイヤとルビーは同じコランダムという鉱物です。コランダムとは酸化アルミニウム。酸素、アルミニウムとも無色ですからコランダムは無色の鉱物です。チタンや鉄が混入し高温高圧から徐々に冷えて色づいていったのがブルーサファイヤです。鉄だけが混ざると黄色のサファイヤになります。チタンだけ混ざると無色のサファイヤとなるのです。同じ鉱物ですが、混入物が違うと色が変わるというわけです。コランダムにクロムが1%ほど混入すると赤くなり、ルビーとなります。1%以上混入するとグレーに近づききれいではなくなるので評価が低い石になります。最高級産地とされるミャンマーをはじめ、タイ王国、スリランカ、ベトナム、カンボジア、マダガスカルなどが原産地に挙げられます。ミャンマー(ビルマ)のモゴック地方は、ひときわ良質のルビーが採れることで有名です。中でもモゴック鉱山で奇跡的な確率で発見される、深く透明な濃い赤色のルビーは、ハトの血という意味合いから「ピジョン・ブラッド」と呼ばれ、最高級のルビーといわれています。古代からインドの方々は、ルビーをラトナラジー(サンスクリット語で「宝石の王」の意味)と呼び、他のどの宝石より珍重し愛好してきました。体の右側に身に着けるとルビーのパワーがより感受できるという言い伝えが根強くあります。右側は能動、左側は受動。指輪、ブローチなどを体の右側につけることが必要というジンクスは当然のように信じられていたため、当時の肖像画を見ると王族の男子の帽子の右側にルビーは描かれています。
また、石言葉は勝利・情熱、7月の誕生石です。一般的に、市場に出回っている宝石の多くは、さまざまな加工処理が施されているものと考えるのが通例です。そして、ルビーも例外ではありません。昔から行われてきた、人工的な加工処理のひとつが、「加熱処理」。コランダムを加熱すると、色相や明度など、色の濃さを変えることができ、色ムラをなくすことができます。また、コランダムによく見られる、シルク・インクルージョンを溶かして、永続的に透明度を高くすることも可能です。ルビーは宝石のなかでも人気があります。高まる需要供給のため、人為的な処理を施し、より美しさをまとわせた宝石へと仕上げ、宝石の魅力を引き出す処理を行います。全く処理を施されていない天然のままのものを非加熱と表現します。また近年では非加熱ルビーを肉眼で見分けることが難しくなっていると言えます。加熱によって溶けた穴の痕跡が表面化、熱で変質した小さな結晶などあれば、そのインクルージョンが加熱処理の証拠。しかし、加工処理の技術開発が進んでいることもあり、それらの痕跡がなければ、加熱処理が施されたどうかは簡単には見極められません。非加熱ルビーとして販売されているルビーは、あくまでも第三者である宝石鑑別機関による分析結果報告です。「加熱された痕跡が認められない」とされただけで、加熱処理されていないことを保証し、証明しているわけではありません。加熱処理は、1960年代以降からは当たり前のように行われていますので、非加熱ルビーなどは大変希少な宝石であり、高価な宝石になります。特に上質なルビーが採れることで有名なミャンマー産ルビーの流通価格はまだまだ高騰することでしょう。

by osakajotorc | 2021-08-27 15:50 | 卓話

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