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2019年9月6日 卓話担当:金沢 英富会員

「森なくして人なし」
日本熊森協会 名誉会長 森山 まり子様
クマ保全担当職員  水見 竜哉様

みなさんこんにちは。日本熊森協会は、現代生態学が出した結論、「森を残し全生物と共存しなければ人間も生き残れない」に基づいて、クマをシンボルに、奥山生態系の保全・復元に取り組んでいる、わが国唯一の全国組織の自然保護団体です。私たちは貴重な森を買い取って手つかずで保全するというナショナル・トラスト活動も行っています。この部門は、現在、公益財団法人奥山保全トラストとして、全国に合計2100ヘクタールの森を買い取っており、わが国最大のトラスト団体となっています。
20世紀は、人類が自らの欲望に歯止めをかけられなくなって狂い始めた世紀だと思います。人類は、自らの生息環境でもある地球環境を、開発や便利にという美名の元、破壊し続けました。私は以前、人類という動物に絶望していました。自然保護活動を開始するようになったのは、教え子の中学生たちが兵庫県のツキノワグマの絶滅を止めようと大運動を展開したからです。当時の彼らの、「寿命まで生き残りたい」「大人は自然も資源も子供に残してくれない」という言葉が、胸に突き刺さりました。本当に子どもに愛情があるなら、彼らが生き残れるような自然を残してやるべきだと思いました。私たちの祖先は、広大な奥山を「入らずの森」として、原生林で残していました。この奥山から湧き出す大量の水が、日本文明を支えてきました。しかし日本文明は、今では、経済第一、人間中心、科学技術過信の西洋の物質科学文明にとってかわられ、奥山は大荒廃。かつて森を破壊して滅びた多くの文明と同じ道をたどっています。奥山が大荒廃した最大の原因は、戦後の林野庁の拡大造林政策です。広大な原生林を皆伐して、スギだけヒノキだけの針葉樹の人工林を1030万ヘクタールも造林しました。しかし、今や日本の林業は壊滅状態。間伐もされずに放置され、内部が真っ暗な人工林が延々と奥山に広がっています。山は砂漠化し、湧き水は激減、餌場を失った野生動物たちが山からどんどん出てきては、有害獣として殺処分されています。国は森林政策の失敗を隠すことに躍起、マスコミは忖度してこの実態を報道しません。昔も今も未来永劫に、水は森からです。森=植物+動物+微生物。私たちは、汗まみれ泥まみれで、生物の多様性が保たれた保水力抜群の天然林を取り戻す現場活動を続けながら、国会議員にも訴えて、今年から始まる一人当たり1000円徴収の森林環境税を、奥山天然林再生に使えるようにしてもらいました。しかし、ほとんどの市町村担当者が、奥山荒廃の現実を知らないため、天然林再生に使われようとしていません。一人でも多くの国民に危機的状況を伝えたいので、みなさんに熊森の講演会をセットしていただきたいです。会員になって、会費で熊森協会を支えていただきたいです。どうぞよろしくお願いします。

by osakajotorc | 2019-09-19 15:41 | 卓話

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