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2017年2月24日 卓話:古屋 優子 会員

「宝石の誕生とダイヤモンドのお話」

宝石の神秘的で魅了されるその輝きについて今回はお話させていただきたいと思います。
宝石を語るにはまず鉱物について、それから地球の構造について知る必要があります。地球の構造は「核」と「マントル」と「地殻」の3つの層から成り立っています。宝石は鉱物であり、多くの宝石は大陸地殻の中でできたものなのです。現在発見されている鉱物は約4200種類といわれています。また鉱物はすべて結晶からできています。鉱物は地球がその胎内でつくり出すものです。宝石と呼ばれる鉱物との違いは何なのか?それは「外見上の美しさ」~色・透明度・輝き、「物理的な硬さ」モース硬度7以上、それから「産出の希少性」です。ただし貝から採れる真珠も鉱物か?というと真珠は鉱物ではなく、生き物が生成したもので、成分は炭酸カルシウムです。例外的なものと言えます。では、ダイヤモンドを語る上でどうしても欠かせない、デビアス社についてお話しましょう。デビアスとは、一介のダイヤモンド販売業者です。ただし、その規模は超巨大で、まさにダイヤモンド界のガリバーとでも形容するしかありません。ダイヤモンドの一大転換期とは、18世紀半ばになります。この当時、インドはもちろんブラジルのダイヤモンド資源に陰りが見え始めていました。しかし、南アフリカに大規模なダイヤモンド鉱山が発見されたのです。 莫大な埋蔵量に裏打ちされた南アフリカのダイヤの生産・発掘量は伸び続けました。しかし、それに反比例して、増産されることによる希少性の低下…つまり価値も下がり続けたのです。業者は減益をカバーするために、より掘削量を上げ、そのことによる価値の低下が起こり、また掘削量を上げ…という悪循環が起こり始めました。この悪循環に歯止めをかけようとしたユダヤ人、セシル・ローズが創業したのがデビアス社なのです。さて、ダイヤモンドの価格を安定させるにはどうすればいいか? デビアス社が取った行動は全てのダイヤモンドの原石を集約する…つまり独占でした。実質次々と鉱山の買収を行い、デビアス社を抜きにしてダイヤモンド流通は語れない存在となったのです。そしてダイヤモンドの生産者による連合(DPA=ダイヤモンド生産者組合)を作らせました。そこで、多すぎる生産は価格の下落を招くとして、生産量の調整についても申し合わせました。さらに生産されたダイヤは全てDTC(ダイヤモンド貿易会社)が一括で買い上げ、DTCで買い上げたダイヤはまとめてCSO(中央販売機構)という組織によって販売されるという、強力かつ強大なシステムを作り上げたのです。つまり、ダイヤモンドが欲しければ、(または売りたければ)どうしてもデビアス社を通す仕組みになっているのです。
皆さん、サイトホルダーってご存知でしょうか?デビアス社が原石を販売するときに使う方法が「サイト」というものです。デビアス社が認定した資格(サイトホルダー)を持つものだけがこのサイトに参加できるのですが、その販売方法はオールオアナッシング。紙袋に入れられた複数の原石を、全て買って帰るか、または全て置いて帰るかという選択肢しかないのです。しかも、置いて帰ってもかまわないはずですが、ひんぱんに購入をこばんでいれば、サイトそのものの参加資格を失うこともありえます。
デビアス社の統制がもたらすものとはご説明します。
デビアス社があるからこそダイヤモンドには価値があるともいえるのです。もし、デビアス社が統制と保障を放棄したら、ダイヤモンドは現在の価値・価格を維持するのは至難の業でしょう。生産調整を行わなければ今の生産技術によって、倍以上の増産が可能であるとされていますが、その先にあるものはダイヤモンド市場の暴落です。
デビアス社の広告戦略について。
「ダイヤモンドは永遠の輝き(Diamond is Forever)」「婚約指輪は給料3か月分です」       「スゥイートテン・ダイヤモンド」などなど…これらはすべて、デビアス社の打ち出した広告です。日本人ですらよく知っている内容ですね。こうした卓越した広告戦略はデビアス社の得意とするところで、特に、ダイヤモンドは永遠の輝きというキャッチコピーは、永い人類の歴史の中で最高の成功例とさえ称えられます。

by osakajotorc | 2017-09-22 15:36 | 卓話

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