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2016年4月23日 会長 渡辺 一雄

コーヒーとのつきあい方
 コーヒーの歴史は古く、イスラム社会では10世紀よりも前から飲まれ、眠気覚ましや秘薬として使われていました。日本でも江戸時代に持ち込まれて以来、薬としても使われていました。その一方で、コーヒーは体によくないとする説もあります。嗜好品として普及した現在でも、コーヒーは「毒か薬か」という議論の決着はついていませんが、それでも長く愛され飲まれ続けているのにはワケがあるはずです。コーヒーと健康の関係については、多くの研究がなされています。その中でも今日は、生活に活かしたい、または注意したいコーヒーの働きをご紹介します。
●コーヒーに含まれる成分
コーヒーに含まれる最も有名な成分は、「カフェイン」でしょう。抗酸化作用を持つポリフェノールの一種「クロロゲン酸」も含まれ、その量は赤ワインのポリフェノールに匹敵します。また、必須栄養素「ニコチン酸」(ビタミンB3やナイアシンとも呼ばれる)やそれによく似た「NMP*」が含まれています。*N-メチルピリジニウム
●眠気覚ましだけじゃない?カフェインは集中力にも
眠気覚ましとして仕事や勉強のお供にコーヒーを飲む人も多いのでは? コーヒーのカフェインにはそれだけでなく、集中力ややる気を持続させる効果があるといわれています。カフェインの効果は摂取後約30分で出はじめ、2時間程度持続するといわれています。
●香りによるリラックス効果
コーヒーの香りは、心を穏やかにする効果が期待できます。アロマセラピーのように、香りをかぐことで自律神経の副交感神経が優位に刺激されます。しかし、この効果はコーヒーが好きな人に大きく現れる特徴があり、好き嫌いによって有効かどうかが変わってきます。
●飲み方に注意が必要な人は?
子供はカフェインへの耐性が低いため、中学生くらいになるまでは控えましょう。妊娠中や授乳中の人も、控えるか1日1杯程度に。また、細胞のなかのカルシウムが、カフェインの作用によって尿と一緒に排出されてしまうことがあります。骨粗しょう症に注意が必要な人は、牛乳を入れて飲むとよいでしょう。
●運動前のコーヒーで脂肪代謝がアップ?
運動の30分前にコーヒーを飲むと、脂肪が燃焼しやすくなるといわれています。カフェインの働きで体に蓄積されている中性脂肪が脂肪酸となって血中に放出されます。その状態で運動することで、脂肪酸が優先的にエネルギー源として使われ燃焼されます。ブラックで飲むことがおすすめです。
●気をつけたい薬との飲み合わせ
コーヒーに含まれるカフェインによって、薬の効果を弱めてしまったり、強めてしまう場合があります。胃腸薬や精神安定剤、ぜんそく薬などのなかには特に注意が必要なものがあります。薬との飲み合わせについては、医師等にお尋ねください。
●1日4杯のコーヒーがボケを防ぐ
フィンランドのクオピオ大学の研究者グループらは、コーヒーはアルツハイマー型認知症に非常に優位な効果をもたらすという実証データを得、アルツハイマーに関する専門誌にその結果を発表しました。同グループは65歳から79歳の被験者1409人について21年間という長期にわたり、経過観察をした結果、コーヒーを1日3~4杯飲む習慣を持つ人は、コーヒーをまったく飲まない、あるいは1日1~2杯しか飲まない人に比べて、認知症になるリスクが65%も低下しているということがわかったと言っています。
ただし、自分の胃腸と相談しながらコーヒーを飲むことが大切、ということは言うまでもありません。

by osakajotorc | 2016-06-21 15:08 | 会長インフォメーション

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