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2015年10月16日 会長 渡辺 一雄

初期のロータリー思考
職業奉仕はロータリーの精神、哲学そのものであり、この教えに基づいて活動するのがロータリーです。まず、職業奉仕を理解するには「ロータリー運動は倫理運動である」ということを理解しなければなりません。ロータリー運動が倫理運動であるがために古来よりいろいろな原理原則が生まれてきたようです。その中でもこれがロータリーだと言われるのが「職業奉仕」です。「ロータリーのロータリーたる所以は職業奉仕に実践にあり。」と言われています。

ロータリーは1905年2月23日たった4人の仲間で設立されました。
資本主義の嵐が吹き荒れていたシカゴの街の弱小実業人および専門職業人の助け合い運動(互恵主義)であったわけです。最初は、会員同士はともかくとして、クラブ以外の人に対する「奉仕の心」「奉仕の理想」というような精神は一切なくクラブ内の親睦と利益増大のみを追及するエゴイズムな団体だったのです。
最初のシカゴクラブの定款は、
1.会員の事業上の利益の増大
2.社交クラブに付随する親睦(会員の相互扶助)でした。
しかし、奉仕概念(奉仕の心)の誕生のきっかけとなったのは、弁理士ドナルド・カーターの入会における物語がきっかけです。
弁理士ドナルド・カーターに入会を勧誘しました。しかし、カーターは、そのような単なる互恵主義はクラブ内部の利益交換に過ぎず、対社会的な意義を欠いている。そのような利己的なことに終始するクラブには、将来性もなく入会に意義も認められない。ということで、入会をきっぱりと拒否したことから綱領の改正へと変革していったのです。すなわち、会員の相互扶助から社会に対する奉仕理念へと目覚めたわけです。1906年12月シカゴ・クラブ定款を改正しました。
第3条「シカゴ市の利益を推進し、市民のなかにシカゴ市に対する誇りと忠誠の精神を普及すること」
これにより、ドナルド・カーターは喜んで入会し、初期のロータリーの伝統的思考形成に大きな役割を果たしました。

以来、ポール・ハリスは「クラブの親睦で培ったエネルギーを、挙げて世のため人のために放流しよう」と提唱しました。ロータリーは職業人の集まりであり、職業人の倫理運動という側面で奉仕の理念を深めていくこととなりました。そして、社会奉仕の実例としてシカゴ市の公衆便所設置運動を行っていきました。

by osakajotorc | 2016-03-14 17:17 | 会長インフォメーション

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