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2015年9月11日 会長 渡辺 一雄

先週は月間卓話として府立成城高校の富田準校長にお願い致しました。私はその成城高校で学校薬剤師を委嘱されています。本日はその学校薬剤師についてお話させて頂きます。
■学校薬剤師の歴史
 昭和5年、ある小学校で女子児童が風邪にかかりめまいがして倒れたのでアスピリンを服用させるつもりがビンを誤って昇汞しょうこう(塩化第二水銀)を飲ませ死亡させる事故が起こりました。これが契機となり、学校における医薬品管理を指導するため学校薬剤師の必要性が叫ばれ、昭和5年に東京麹町に「学校薬剤師」が置かれることとなりました。以後、日本薬剤師会も「学校薬剤師の設置の請願書」を提出し、学校薬剤師が法制化されることとなりました。
 これにより、幼稚園、小学校、中学校、高等学校には、学校医、学校歯科医と共に、学校薬剤師を必ず置くことになっています。(学校保健安全法第23条)
 学校薬剤師は、学校の環境衛生について検査をしたり、児童・生徒の快適な学校環境をつくるために、色々と指導、助言を行っています。ただし、「学校薬剤師制度」があるのは、世界各国の中で日本のみです。

■学校薬剤師の仕事
1.保健室及び理科室の薬品点検・・・保健室の薬品についての使用上の注意や保管上の注意などについて指導、助言を行います。また、理科室の毒・劇物薬品や引火物などは適正に保管されているか、地震などの災害時の対応はどうか、また、不要薬品の破棄については、水質汚濁防止法などに従って処理するよう指導しています。
2.教室などの明るさの検査・・・児童・生徒が能率よく快適に学習が行えるように、教室などの照度及び照明環境を定期的に検査をします。検査は、教室などの照度及びまぶしさを定められた方法により測定し、基準に合わない場合は改善を提案します。
3.騒音環境の調査・・・学校における騒音は、教室内で教師の声が聞き取れないなど授業の妨げとなる音です。騒音は学習能率の低下をまねき、心理的にも不快なものです。学校の騒音については騒音レベルを普通騒音計を用いて測定し、判定基準を超える場合は改善を提案します。
4.教室の空気・換気調査・・・冬期は、暖房などで教室内の空気が汚れます。そこで、教室内の環境検査を行っています。検査項目としては、温度、湿度、炭酸ガス濃度、などを調べます。
5.学校プールの検査・・・適性に管理がされていないと、プール熱やハヤリ目などの感染がおこります。そこで、プール水の消毒は基準どおりか、有機物などの汚れの具合や一般細菌、大腸菌群などの検査を行っています。
6.学校給食の衛生管理・・・学校給食は健康教育の一環として実施されています。学校給食で食中毒の発生があると、大勢の患者が出るのが特徴です。食中毒菌は、サルモネラ菌、大腸菌、O-157など色々です。そこで、学校給食による事故の発生がないよう衛生的な管理が必要です。学校薬剤師は、給食設備や取扱いが衛生的かどうか、使用水、調理機械、器具、食器類、冷蔵庫、温度計などに問題はないかを、定期的に検査をしています。
7.飲料水の検査・・・水道法により、学校の水道施設、設備の点検や清掃は定期的に行われていますが、学校では衛生的な水を使用するために、使用水の日常点検と定期点検を行っています。日常点検は、外観、臭気、味などと、基準どおりの残留塩素が保持されているかを、生徒や教職員が毎日点検しています。定期点検は、学校薬剤師により、化学検査のほか、一般細菌、大腸菌群などについて水道法に基づいた検査を行います。
8.学校薬剤師による薬物乱用防止活動・・・麻薬、覚せい剤などの薬物乱用は、いまや世界各国の深刻な問題です。わが国でも、覚せい剤をはじめ、シンナー、大麻、危険ドラッグなどの乱用は、増加の傾向にあり、青少年などの低年齢化がみられます。学校薬剤師は、覚せい剤等乱用防止推進委員に任命されたり、児童・生徒に対しては、酒、タバコの害について、また、シンナー・覚せい剤・大麻・危険ドラッグの害についての講和を行っています。

by osakajotorc | 2016-03-14 17:02 | 会長インフォメーション

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