2014年9月5日 卓話 金沢英富会員

青少年のための月間卓話 「発達障がい」 
大阪府立成城高校定時制  准校長 井上卓三様
担当 青少年委員会 金沢英富委員長


この夏、広島は集中豪雨による土砂災害で大きな被害を受けました。そもそも広島と言えば、昭和20年8月6日に世界史の中でも稀にみる悲劇のあった街です。今年の災害には、神も仏もないのかという思いすらしました。
 ところで、今日は原爆の悲惨さや集中豪雨の話ではありません。
広島という街は路面電車が有名で、今でも市内の公共交通機関の中心的役割を担っています。当然、原爆の落ちた8月6日の朝も走っていました。通勤や通学の人々で一杯だったことでしょう。そこに原爆は落ちました。多くの命が奪われ、線路も熱やがれきでグチャグチャになりました。電車は全120両のうち100両ほどが被災したそうです。
ところが、3日後の8月9日には、一部の区間とはいえ、早くも復旧して電車が走っているのです。信じられますか。それも郊外ではなく市内を、です。私は、NHKのテレビ番組で、この歳になって初めて知りました。広島電鉄は、原爆投下後3日で電車を走らせたのです。
 皆さんは、被爆直後の広島市の写真や映像を見たことがあるでしょう。とても路面電車が走れるような状況ではありません。でも走らせたのです。生き残った広島電鉄の職員が、放射能の危険性を知らされていなかったとはいえ、みなそれぞれに被災しているはずなのに、線路を整え、使える車両を整備して、電車を走らせたのです。
 すごいと思いませんか。もちろん、彼らにしたら、電車を走らせるのが仕事だから、それが仕事だからそうしただけです。だから、すごいです。そう思いませんか。自分の仕事を当たり前にする。人間が生きるということの本質を教えてくれる話だと私は思いました。
 いつの時代も、社会は能書きではなく無名の働く人に支えられています。
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by osakajotorc | 2015-01-26 15:21 | 卓話

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