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2014年7月18日 会員 中谷治

「旧制高校」  中谷 治


グローバル社会になりグローバル人材育成の必要からリベラルアーツ教育、国際バカロレア教課の導入促進が叫ばれ、甞てリベラルアーツ教育をしていた旧制高校がマスコミにしばしば取り上げられていますので旧制高校についてお話申し上げます。 
旧制高校は欧米のエリート養成校に倣って少数精鋭、教養重視、スポーツ奨励、寮生活で自由と自治を学ばせるというもので、大学受験勉強がその妨げにならないよう卒業生は全員帝国大学に入学できるシステムでした。私の卒業した大阪高等学校も寮で酒盛りしない、女性を連れ込まない、門限午後10時以外は自由で寮の運営は寮生の自治でした。旧制高校生は帝大へのパスポートを手に入れ、親元を離れ自由と自治を与えられ、急に大人扱いされ、高揚感に溢れていました。旧制高校生の伝統はそのような背景のもとに出来上がりました。旧制高校生は10代後半自我が芽生える頃です。本を読み、人生を論じ、社会を論じ、スポーツに励み、権力に抵抗し、また羽目も外しました。戦後学制改革が行われ平等を建前とする教育制度に変わりエリート養成校の旧制高校は廃校となりました。然し新制大学の卒業生は教養が足りないという声が多く産官学で種々の対策が講じられていますが私は10代後半の自我が芽生える頃にその教育を行うのが最も効果的だと思います。旧制高校のように受験勉強に煩はされず教養を高めスポーツに励み自由と自治を原則とする共同生活をして切磋琢磨する学校制度が必要と思います。例えば東京大学に旧制高校のような予科高校を作り、その高校出身の東大卒は社会がそれなりの評価をすれば寮に入るのが嫌でも優秀な人材が入学するでしょうし他の有名大学もそれに習うでしょう。

by osakajotorc | 2014-08-28 15:52 | 卓話

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