2017年5月19日 卓話:大道 一弘 会員

「建築の再生は進むのか」

21世紀になって、社会や生活環境、時の流れが著しく変化しています。その影響が、少ないと思われた建築業界も、この20年たらずで、猛スピードで変革が起こり続けてきました。人に会う前にメールが飛び交い、図面がデータ化されBIMにより図面が3D化される時代になってきました。
こんな時代だからこそ、我々建築家は、これからの社会の為にどんな役割を担うべきなのか?真剣に考える時が来てると思います。建築の再生には二つのやり方が有ります。リノベーションとスクラプアンドビルドです。建築と自然の関係は装飾や機能がなくなっても建物が土地に存在する限り空間は時を通してある種の心地よさや永遠性があると思います。 人間も自然の一部であり又建築も自然から切り離せたものでなく、その土地に住む生活者、気候、社会との関係によりかわってきます。20世紀後半の日本の建築史では、廃墟や瓦礫から立ち上がって復興してきました。又、公共住宅を人口の増加もともなってどんどん提供していきました。そして今では年に20万人以上の人口の減少で、空き家が増え粗大ゴミ化しています。どんなに使おうとしても使いきれないくらいある。いくらリノベーションしても、その量的バランスはきっとあると思います。新築をつくりたい人たちは、ただ古いから、見た目が汚いから、直してもしょうがないと言って、新築をつくります。しかし果たしてそうでしょうか?誰も目を付けなかったものをある種の価値転換をし、その建物の存在意義を見出す。例えば、これは昭和時代の典型的なモルタル木造の年代もの、と言って利用すると、多くの人がゴミと思ったものが資源になる。新築するとわかりやすい 、しかしリノベーションの場合だと、本当にこれはもつのかどうか、設備をどう直せばいいのか?ちょっとしたテクニックが必要です。又、リノベーションの世界で極めて面白いのは投資効果です。新築の場合は、投資効果は別のところで判断します。つまりこの土地を買って、どのくらいの大きさで建て、どのような用途に使い、など経済的に判断しなければならない。しかしリノベーションの世界ではいくらかけると、回収できるか、工事の程度によって金額やプロジェクトの大きさが、かわってきて、これにいくらかけるといいのかが根本になります。木造は20年の耐用年数で資産価値がなくなることが、価値がないからつぶそうとしているのではないでしょうか。又、欧米に比べると、これだけ住宅に投資しても、資産形成が全然ないという、いびつな構造が作られています。しかし言い換えれば資産価値がないから売っても仕方ないのでスタートしやすいかもしれません。次にスクラプアンドビルドの話しですが、今問題になっているマンションの建て替えについて話したいと思います。2015年3月に耐震性不足により建て替え円滑化法に基づく容積緩和の要綱が発表さました。国土交通省推計によると、旧耐震のマンションは2013年時点で129万戸これが23年には264万戸に増えます。老朽化した区分所有マンションの再生が急務です。このままだと近いうちに社会問題になります。政府は区分所有者の5分の4以上の賛成で建て替えを決議できるようにし又容積緩和など所有者の負担を軽減しています。しかし16年時点で227件しか建て替えが進んでいません。
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by osakajotorc | 2017-09-22 16:13 | 卓話

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